だいちの星座について
大木真人[宇宙航空研究開発機構 研究開発員]
《だいちの星座》は、地球を撮影する人工衛星を使って巨大な地上絵を描くことで、地球外の視座からの新たな地球観を多くの人々と共有することを目指すアートプロジェクトである。全国各地で、また実験的に海外でも行われたこれまでの制作では、参加者が地上に反射体を設置し衛星画像に点を写りこませることにより、街の中に〈星〉を描いた。それぞれの作品は市全体や町全体など一定の範囲で制作され、その範囲内で多くの参加者により同時多発的に〈星〉が描かれることにより、全体としては〈星座〉が描かれる。その大きさはときに地上数十kmに及び、点を描く参加者の数は数百人に上ることもある。
この大規模な範囲の撮影を可能にするのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発し運用する衛星「だいち2号」(ALOS-2)である。制作にあたっては、この衛星がいつ、どこを、どのような条件で撮影するかを衛星の運用計画から確認し、これに基づき地上で制作活動を実施する。衛星が撮影したデータは世界各地のいずれかの衛星通信施設で受信され、JAXAのシステムで画像の復号などの基本的な処理がなされたのち、プロジェクトの鈴木・大木により作品の形態へと加工される。
「だいち2号」の主たる目的は災害状況把握、環境保全、資源管理などのための画像取得であり、これをアート作品の制作に用いるのは異色の取り組みである。実際、「だいち2号」のデータを比較的自由に利用する権利を持つ公募制の研究課題(RA)約700件のうち、芸術分野からの応募は本プロジェクトのみである。地球観測衛星がインフラとして整備され、一定の手続きを経れば誰でも宇宙から任意の地域を撮影できる現代でも、それをアーティストが使うことはまだ稀である。
地球観測衛星で作品を制作することはさほど奇異なことではない。そもそも、このような高々度からの地球観測技術は写真芸術に端を発しており、1850年代にフランスのナダールが気球に写真機を持ち込み、初めての航空写真を撮影したのがその始まりである。彼は写真家であり、自らのスタジオを第1回印象派展(1874年)の会場として貸し出すなど美術界で活躍した一方、その功績は科学技術界でも認知されており、地球観測技術の教科書でも次のように紹介されている。
ナダールは、気球によりパリの街並みを撮影し、世界で初めての航空写真の撮影に成功した。(中略)彼はパリ市内の航空写真を次々と撮影し、当時の人々に驚きを持って迎えられ、人々の都市観に大きな影響を与えた。(関根秀真:『宇宙からの地球観測』1.3章、ERSDAC編集/出版、2001)
より離れた、宇宙の視座での地球観の形成においても科学技術と芸術は連動している。1880年に天文学者のカミーユ・フラマリオンは著書の中で月から見た地球の想像図を科学的な考証を基に描き、1902年にメリエスが制作したSF映画『月世界旅行』に同じ構図の地球が描かれるなど映像表現に影響を与えた。当時メリエス自身が彩色したカラー版フィルムでは月から見た地球が黄色に彩色されていたが、1950年代になって有人宇宙飛行が実現すると、宇宙飛行士の言葉や写真を通じて青い地球のイメージが広く定着し、映像表現等においても地球は青く描かれるようになった。アポロ宇宙船が撮影した月の地平線に浮かぶ地球の姿は特に人々に影響を与え、バックミンスター・フラーの「宇宙船地球号」に象徴されるような近代的な地球観の形成と普及に寄与した。
科学技術は新たな知識を求め、また芸術は新たな表現を求め、ともに空へ、宇宙へとより高い高度を目指してきた。科学技術と芸術がその領域を拡大していくとき、両者に起こる行動には何ら違いはない。《だいちの星座》はこのことを再認識するプロジェクトでもある。地上の変化を、ナダールの飛んだ空より高い宇宙から捉え、作品化する。これは容易なことではなく、制作の全ての過程において科学技術と芸術が協働する必要がある。
芸術表現の手段としての合成開口レーダ
《だいちの星座》では、衛星「だいち2号」に搭載された合成開口レーダ(SAR)で地上絵を撮影する。SARは観測装置の一種で、地上に向けて電波を発し、反射してきた電波から地上の画像を得るものである。光(可視光)ではなく目に見えない電波で撮影をする点や、装置自身が電波を発するため太陽光などの外部光源が不要な点が、光学的なカメラと大きく異なる。
だいちの星座プロジェクトの前身である、金沢美術工芸大学のSatellite Art Project Kanazawaでは、当初光学カメラを搭載した衛星が用いられていた。これは人間の目と同様に太陽を光源として地表を光(可視光)で撮影するものであり、Google Earthで見られるような衛星画像もこれにあたる。しかし、この方法では雲に遮られると地表の画像が得られないため、天候によって期待した画像が得られない可能性が高く、多くの参加者を動員する活動には不向きである。一方、SARは雲や雨を透過する波長の電波を用いて撮影するため、天気に関わらず地表が撮影できることから、これを用いる方法に移行した。当時用いられていた衛星「だいち」(ALOS)が2011年に寿命を迎え活動は一時休止したが、2014年の後継機「だいち2号」(ALOS-2)の打上げに合わせ、現在のだいちの星座プロジェクトの名称で活動が再開された。
SARは実際にこれまでの制作で有効に機能した。天候の心配がないことから参加を広く呼び掛けることができ、地上の多くの個所に反射器を設置し、〈星座〉を描くという表現が可能となった。2016年8月に撮影を行った《いばらきけんぽく座》では、茨城県北地域を舞台に、これまでで最大の全長40kmにわたる星座を描いた。予め分かっている日時に、これほど広い範囲を、一度に、かつ天候に影響されずに撮影できる手段は他にはない。
自分たちの姿を宇宙から写すという体験を、アーティスト自身に閉じることなく多くの参加者と共有したいという動機が《だいちの星座》の根底にある。それを実現したのがSARである。《だいちの星座》で描いているものが地上絵すなわち絵画の一種であるとすれば、SARはそれを描くための画材である。歴史上、美術の新しい表現手法の開発は科学技術に後押しされてきたが、SARもその1つといえるだろう。
合成開口レーダ画像における〈点〉
目に見えない電波で地表を撮影する合成開口レーダ(SAR)の複雑な仕組みを、ここに短い文章で記すことは難しい。ただその基本的な動作は、電波の送受信の繰り返しである。SARのアンテナは下に向けて数十マイクロ秒という短い電波を送出し、地表を電波で一瞬照らす。地表に当たり四方八方に散乱した電波のうち衛星の方向に戻っていったものが、また同じアンテナで受信される。高速で飛行する衛星上で、この送受信のセットが毎秒数千回という速い間隔で繰り返される。
地表に電波を当ててその反射波をキャッチすることは、ボールを地面に落としバウンドしてきたところを再び拾うのに似て、一見するとボールが当たった場所の情報しか持っておらず、0次元すなわち〈点〉のデータしか得られないように思われる。しかし、ボールと異なり波動現象である電波は、水面の波紋と同様に広がりながら伝播する。地上の広い範囲に広がった電波のうち、衛星から遠い地点に当たった反射波ほど伝播距離が長く電波の往復に時間がかかるため反射波は遅れて受信される。そのため、送信時は短い1つの信号だったとしても、受信の際はその信号が地表の様々な場所から異なるタイミングで受信される。これは一度の呼びかけに対し距離の異なる山々から複数のやまびこが帰ってくることに似る。すなわち、一度の送受信で得られるデータは点のデータではなく、距離の異なる点が並んだ、1次元すなわち〈線〉のデータである。さらに、SARは衛星に載って移動しながらこの送受信の動作を反復する。コピー機が線状のセンサを移動させて紙面を読み取る仕組みであるように、移動しながら1次元の観測をし続けることは最終的に2次元すなわち〈面〉のデータを得ることになる。
SARの画像の細部を見ると点の集まりであることが分かる。地上にある樹木や電柱など電波を反射する物体が1つ1つ点として見え、それらを遠目に見ると衛星写真らしく見えてくる。無数の点が2次元平面内に集合して意味のある1つの画像を構成している様子は点描画を見ているようである。《だいちの星座》では、参加者が地上に反射器を置くことによってそこに意図的な点も描く。こうして、その瞬間にしかない点の数々がSARにより記録される。点は絵画の基本要素であり、各々の点は1つの瞬間を記録し、それらの点が集合して絵を構成する。これはSAR画像も同じである。SARで地上絵を描くことは、絵画における点の機能を再認識する体験でもある。
地球観測データのアーカイブ性
《だいちの星座》のように地球観測衛星による撮影を前提として制作された地上絵の先駆的な例として、トム・ヴァン=サントの《リフレクションズ・フロム・アース》(1980年)がある。使用された衛星は光学カメラを搭載した「LANDSAT-3」(ランドサット3号)だが、「LANDSAT-2」(同2号)が使用されたとする文献もある。どちらが真実だろうか。
地球観測衛星のデータは、観測日時や観測方法が明確な地球のデータとして資料的価値が高いため、衛星を運用する国家機関などが過去の全データをアーカイブする責務を負っている。トム・ヴァン=サントが利用した衛星の原初データは米国地質調査所が保管しており現在も入手できる。《だいちの星座》では事前のスタディの1つとしてこのような過去の作品に使われた衛星の原初データを辿った。その結果、1980年6月11日の「3号」の画像データ内に、太陽光を反射させ衛星画像に点を写すためのミラーが設置されている地域があり、当該作品のビジュアルとも完全に一致していた。よって「3号」が真実である。しかし興味深いことに、翌週6月20日の「2号」のデータにも作品を再度設置した痕跡があった。ただしこの時の画像は品質がやや悪く、作品のビジュアルには使われていない。恐らく制作者は万全の策として当時運用されていたランドサット2、3号の両方を利用して制作を行ったが、それゆえに関係者間でも衛星名を巡って混同が起きたと推察される。
このような検証が今になってもできるのは地球観測データのアーカイブ性によるものである。1980年代のトム・ヴァン=サントやピエル・コントゥの作品、そして現代の《だいちの星座》の作品群に至るまで、衛星データに写り込んだ作品はいずれも、作者が意識しなくても作品の元となる原初データが国家機関等により半永久的に保管されるという特異なアーカイブ性を持っている。これは、データ取得とそのアーカイブの両方の機能を具備した宇宙インフラをメディアとして利用しているがゆえの特徴である。
現代では様々な宇宙インフラが整備され、人々はそれを利用しているにもかかわらず、そのことを日常生活において感覚的に実体験することは少ない。《だいちの星座》では、参加者が事前の説明会などを通じて衛星の機能や、それが自分自身を撮影する日時などを知り、それに向けて準備をし、実際にその通りに衛星により撮影されることを実体験する。そうして人々の視野や思考の可能性を広げていく一助になることもこのプロジェクトの狙いの1つである。
再現性と偶然性
科学において何か発見があったとき、それは再現可能である必要がある。その研究者が行った実験や計算の方法は論文等で公開されるべきであり、他の研究者が同様のことを行い同様の結果が得られればその発見の確証は高まる。また、その方法を参考に改善を加えるなどして新規性のある結果を出せば、それがまた新たな発見と見なされる。この方法論によって人類は科学知識を積み上げ、自然現象をより上手く説明し利用できるようになってきた。
芸術も、これまで積み上げられてきた思考や手法に立脚しつつ新規性のある作品を出すことが求められる点は科学と類似している。一方、再現性の観点ではしばしば科学とは異なる価値が認められる。多くの場合、作品やその制作過程は、他者や、時には作者自身にも再現不可能であろう。作品はその時、その場でしか起きないことが閉じ込められているものと考えることができ、偶然性を作品の価値に含めることができる。
《だいちの星座》の目標の1つに、宇宙からの新しい視座を多くの人と共有することがある。そのために、誰でも参加者となって地上に反射器を設置できるようその製作方法や設置方法はマニュアル化されている。また、衛星データを解析し作品のグラフィックに加工していく過程でも、反射器を地上に置く日と置かない日の画像の差分をとるなど基本的な手順や手法が決まっている。これらの点で、《だいちの星座》は再現性を持つ。
一方で、《だいちの星座》で地上に描かれる星座は、既往の夜空の星座の形状等の再現ではない。星座を構成する各々の星の位置は、反射器を設置するのに適した公園などの場所を参加者が自ら探し出したり、開催地との交渉の中で決まったりしたものである。つまり星座の形状はその地域で起こることに委ねられている。また、作品中には、参加者が描いた星以外にも、さまざまな変化が無数の点となって分布し星空のように見えるが、これも街の変化などによってできる偶然の分布となる。結果として、その時その場所だからこそできた、その地の星座─例えば《たねがしま座》など─が生み出されてきた。この点では、《だいちの星座》は偶然性を持っている。
このように《だいちの星座》はその作品や制作過程に、科学技術でいう再現性と、芸術でいう偶然性とが共存している。これは、このプロジェクトで科学技術と芸術が協働して機能していることの証左でもある。
科学技術と芸術の相互作用
現代ではGoogle Earthやインターネットの地図サービスなどで衛星写真を見る機会は日常のものになっているが、それらの衛星写真は利用者にとっては「知らないうちに」撮影されたもので、それがいつどのように撮影されたかを意識することは少ないし、する必要もない。宇宙から地球を見るという視座を、実感を伴って体験することは、宇宙飛行士などを除いて多くの人々の日常の中にはない。
《だいちの星座》では、衛星の撮影に合わせて地上で制作活動を行い、そこへ実際に衛星が飛来して撮影がなされ、多くの参加者が「いま私たちが撮影されている」という瞬間を共有し、その痕跡を画像に残す。これは地図サービスなどで受動的に衛星画像を見るのとは異なり、衛星が撮影を行う現場に直接関与する行為である。
《だいちの星座》の参加者から収集したアンケートによれば、幅広い年齢層や背景を持った参加者が、総じてこの活動の内容に満足し、宇宙開発や地球環境、人類の未来などへの認識や興味が高めていったことが伺えた。参加者は、大別すれば科学技術か芸術かのいずれかの興味から応募し参加したと考えられるが、そのいずれの興味も満たしつつ、科学技術から芸術へ、または芸術から科学技術へ、新たな興味を喚起することができた。作品の展示においてもこの成果が伝えられるよう、制作プロセスを記録した映像や写真、制作で使用した反射器などの実物も含めて展示を行った。また、意見交換を行うシンポジウムも複数開催し、2015年8月の「シンポジウム『芸術表現と人工衛星』」では、芸術や美学の専門家に加え、地域のアートプロジェクト等を担当するコーディネーター、JAXAの宇宙開発の広報担当者など、芸術と科学技術の両面からの実務者が意見を述べ、ともに、《だいちの星座》が参加者・鑑賞者に地球外の視点を意識させ、社会認識に変化をもたらすことができることを指摘した。
《だいちの星座》のこれまでの成果の1つとして、科学技術は芸術への導入として、芸術は科学技術への導入としてそれぞれ機能することが確認できたことがある。科学技術と芸術はお互いがお互いの一部となっており、この相互作用によって社会に変化をもたらすことができるものと考えられる。科学技術と芸術は、方法論は異なっていても、同じフィールドに共存し、同じ行動を起こさせ、ともに人類社会に貢献してきた。今後もそうであろうし、それを体現するものの1つとして《だいちの星座》の活動を継続できればと願う。
● 資源・環境観測解析センター編集/出版(2001)『宇宙からの地球観測』
● C. Flammarion(1880)『Astronomie Populaire』C. Marpon et E. Flammarion
● バックミンスター・フラー(芹沢高志訳)(2000)『宇宙船地球号操縦マニュアル』筑摩書房
● 大木真人、鈴木浩之「芸術の表現手法を拡大するALOS-2─「だいちの星座」プロジェクトの展開」(2016)『日本リモートセンシング学会誌』36-4:367-372
On Constellations of the Earth
Masato Ohki
In the Constellation of the Earth project, we draw large geoglyphs using an Earth observation satellite and aim to share a new view of Earth from the perspective of outer space. In our works in Japan and experimental works in overseas, participants drew “stars” in their city by placing reflectors on the ground and brightening the pixels in the satellite image. Each of our works is created within a certain area, such as the whole city, and the many “stars” drawn simultaneously by its citizens constitute a “constellation.” The sizes of the constellations occasionally reach several tens of kilometers on the ground, and the number of participants often reaches hundreds.
Image acquisition over such large areas is enabled by the satellite Advanced Land Observing Satellite-2 (ALOS-2), which was developed and is operated by the Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA). To create our works, we first investigate the image acquisition schedule from the satellite operation plan and then conduct creation activities on the ground based on this schedule. The data obtained by the satellite are received at one of the many satellite communication facilities all over the world, low-level processed (image decoding, etc.) at JAXA, and then processed into an art work by Suzuki and Ohki of this project.
The main purpose of ALOS-2 is to gather images for disaster monitoring, environmental conservation, resource management, and other scientific and practical applications. The use of this satellite to create art works is unusual. In fact, among over 700 research themes with the right to access ALOS-2 data, only our project has participated from the field of art. Even in this modern age, where earth observation satellites are operated as infrastructures and can be used by anyone following a certain procedure, artists still rarely use them.
We believe that creating art work using earth observation satellites is not strange. Earth observations from high altitudes originated in photographic art, when the Frenchman Nadar set up a photographic camera on a balloon and took the world’s first aerial photograph in the 1850s. Nadar was a photographer and known in the art field for lending his studio to serve as the venue for the first Impressionist art exhibit in 1874. His achievements are acknowledged in the fields of science and technology, and textbooks of earth observation technology describe him as follows:
Nadar took a photograph of the perspective of Paris from his balloon, and it became the world’s first aerial photograph.
Then, he took several aerial photographs over Paris, one after another, and surprised citizens by bringing a new view of the cityscape to them.
(Hozuma Sekine, Earth Observation from Space, Chapter 1.3, 2001, translated by the author)
Science, technology, and art are linked in the formation of viewpoints from a higher altitude, space. In 1880, astronomer Camille Flammarion drew an imaginary picture of the Earth as seen from the lunar surface in his book based on scientific considerations. In 1902, the same outline of Earth was drawn in the SF movie A Trip to the Moon by Méliès. In the color film of the movie, however, Earth was portrayed in yellow. After the first manned space flight was realized in the 1950s, a blue Earth was more often described by astronauts’ words and photographs, and artists began to draw Earth in blue. In particular, a photograph of Earth rising from the horizon of the moon, which was taken by the Apollo, impacted many people and contributed to the formation and distribution of a modern world view, which is symbolized by Buckminster Fuller’s Spaceship Earth.
Higher altitudes, such as the sky and space, have been explored by scientists and engineers to discover new knowledge, as well as by artists to discover new artistic expressions. When the concepts of science, technology, and art expand, no difference between their behaviors can be observed. We recognize this in our project. Grasping changes of the ground from space, which is a distance higher than that experienced by Nadar, and turning them into art work is difficult. Science technology and art are in close conjunction in all processes when creating our works.
Synthetic aperture radar as a means of artistic expression
In Constellation of the Earth, we draw geoglyphs and capture them using synthetic aperture radar (SAR) equipment mounted aboard the satellite ALOS-2. SAR is a widely used imaging device that emits radio waves to the ground and creates images using the reflected waves. The main characteristics of SAR are imaging with invisible radio waves instead of visible light and emitting radio waves instead of using other light source such as sunlight.
The predecessor of the Constellation of the Earth project, Satellite Art Project Kanazawa by the Kanazawa College of Art, formerly used another satellite carrying optical cameras. Similar to human eyes, an optical camera uses sunlight as a light source to photograph the ground surface. Satellite images used in Google Earth are also captured by this principle. However, this method cannot image the ground surface under clouds. Since images may not be obtained during inclement weather, the technique is unsuitable for activities with a large number of participants. By contrast, SAR uses radio waves that can penetrate clouds and rain and obtain ground images regardless of the weather. Thus, the former project was modified to use the ALOS satellite, which was equipped with a SAR; unfortunately, the operation of this satellite was terminated in 2011. As its successor, the ALOS-2 was launched in 2014, and our project was restarted with the current project name, Constellation of the Earth.
The new SAR has performed as expected in our project thus far. Since weather is not a concern, we can invite a large number of participants to the project and achieve large “constellations” via the many reflectors placed by each participant. For example, in the Ibaraki Kenpoku constellation drawn in August 2016, we created a constellation covering a large area of over 40 kilometers wide in the northern portion of Ibaraki Prefecture, Japan. SAR is the only method through which such wide images may be captured at a precise time and at once for an entire area with no impact from the weather.
The basic motivation of this project is to share the experience of seeing ourselves from outer space as pictured not only by the artists but also by all of its participants. SAR realizes this goal. If the constellations drawn in our project are considered geoglyphs, a kind of painting, SAR may be considered a painting tool through which our paintings are drawing it. In the history of art, new technologies have consistently supported developments in new artistic expressions. We believe that SAR represents one such novel development.
“Points” in synthetic aperture radar imagery
Explaining the complex mechanism of synthetic aperture radar (SAR), which takes images of the ground using invisible radio waves, is difficult to achieve using simple sentences. The basic concept is simply a repetition of transmission and reception of radio waves. The antenna of the radar emits a short pulse wave of several nanoseconds and illuminates the ground surface for a moment. Then, the same antenna receives the reflected waves that return to the satellite after striking the ground surface. This process of transmission and reception is repeated at rapid intervals of several thousand times per second while the instrument flies at high speed aboard the satellite.
The cycle of emitting and receiving radio waves against the ground is analogous to throwing a ball to the ground and then picking it up after it bounces. At first glance, only zero dimension data, or “point” data, of the ground surface where the ball bounces against it are obtained. However, radio waves are not solid balls but a phenomenon that spreads like ripples on a water surface. Among the radio waves spread over a wide area on the ground, reflected waves striking a location farther from the satellite propagate over a longer distance and are received with greater delays. Therefore, even if the wave was but a single short pulse at transmission, the many waves reflected from different places on the ground are received at different times, similar to multiple echoes from different mountains that can be heard when making a loud sound among mountains. Thus, data obtained by one cycle of transmission and reception are not point data but one-dimensional, or “line,” data, which involve a set of many “points” corresponding to different distances. SAR repeats this cycle while traveling aboard the satellite. Similar to a copy machine moving linear sensors to scan a paper, repeating one-dimensional observations on a moving platform results in two-dimensional, or “image,” data.
Looking closely at the details of a SAR image, we can see that it is composed of a set of myriad “points.” Objects reflecting radio waves, such as trees and poles on the ground, appear as individual points; when the image is viewed from a distance, however, a satellite image resembling a pointillism painting is seen. In Constellation of the Earth, participants draw intentional points in the SAR image by placing reflectors on the ground. Thus, the points that exist only at that specific time and place are recorded as a SAR image. A point is a basic element of a painting, and each point in a painting records one moment to create a picture with many other points. This is the same in SAR imagery. Drawing geoglyphs using SAR serves to reaffirm the function of a point in paintings.
Archival property of Earth observation data
Tom Van Sant’s art work Reflections from Earth (1980) can be regarded as a pioneering example of a geoglyph created using artificial satellites. Although the satellite used in this work was the LANDSAT-3 satellite, some documents insist that the LANDSAT-2 was used instead. What is the truth?
Since satellite observation data are acquired at an exact date/time using detailed methods, the information holds value as historical material and is responsibly archived by the government or organization that owns the satellite. The original satellite data used in Van Sant’s work is maintained by the US Geological Survey and remains accessible. In a preliminary study, we investigated old satellite data used in previous art works and found an area where mirrors were deployed to reflect the sunlight and draw points in the LANDSAT-3 image captured on June 11, 1980. Since the shape of the reflecting points is identical to that in the original graphic published by Van Sant, LANDSAT-3 is the definitive answer to our question above. Interestingly, the reflecting mirrors appeared once more at a similar position in LANDSAT-2 images taken on June 20. The image obtained was poorer in quality and not published in any document. We thus conclude that Van Sant used both LANDSAT-2 and -3 to obtain images and then chose LANDSAT-3 images for his work, likely because of better image quality.
The high archival property of earth observation data enables us to achieve this verification. Satellite art, such as those famous works exhibited in the 1980s by Tom Van Sant and Pierre Comte and our own project images, possess unique archival property in that the original satellite data are permanently stored by the government or other related organizations even without the artists’ awareness. This is a common characteristic of media arts that utilize space infrastructures equipped with both function for gathering and archiving data.
In the modern age, various space infrastructures are developed and utilized, but we rarely experience this equipment sensuously in our daily life. In Constellation of the Earth, participants attend a preliminary presentation on how and when they will be captured by satellite images, and they prepare for and obtain a real experience of image acquisition by satellite. One of the other aims of our project is to help expand the human perspective and thought process through this experience.
Repeatability and eventuality
In science, new findings should be repeatable, and researchers are required to publish their methods of experiments or calculations in their papers. If the same results can be achieved by others using the same method, the certainty of the findings can be confirmed. Also, if one can improve a published method and obtain novel results, the knowledge obtained can be regarded as a new finding. Using this methodology, humans have accumulated scientific knowledge and obtained a better understanding of nature, which has allowed them to utilize it successfully.
Art is similar to science in its necessity of novel works based on accumulated concepts and methods. However, from the viewpoint of repeatability, art often presents different values from science. In most cases, art works and their production processes cannot be repeated by others or even by the same artist. We believe that what happens in a single time and place is confined to the work created at that time; thus, eventuality can be included in the value of the work.
One of the goals of Constellation of the Earth is to share a new perspective from outer space with many people. To achieve this, how to manufacture and deploy the reflectors is described in a manual so that anyone can place a reflector on the ground. In methods describing the process of translating the original satellite data into an artistic graphic, certain procedures, such as obtaining the difference between two images taken on days with and without reflectors to extract only “changes” in the images, are described. In this respect, this project includes repeatability.
The constellation drawn on the ground in our project is not a reproduction of the shape of a known constellation in the sky. In our project, the location of each star, such as a park or the ground, is determined by participants as a suitable place for deploying a reflector. Therefore, the shape of the constellation completely depends on what happens in the city. In addition, countless stars making up a “starry sky” also appear in the background of the constellation by various changes in the city, and this has also coincidental distribution. Constellations with the name of the location, e.g., the Tanegashima constellation (Tanegashima is an island where the work was created) can only been created at that specific time and place. In this context, this project presents eventuality.
Thus, in this project, repeatability and eventuality in the scientific and artistic terms, respectively, coexist in our works and their production processes. This context is proof that science and art are in close conjunction in our project.
Cross-interaction of science, technology and art
Opportunities to view satellite images are common in our daily life, owing to Google Earth and online map services, but these satellite images are usually taken without being recognized by users. We do not, and need not, care about when and how these images were captured. Thus, most people, except astronauts and other scientists, never experience the viewpoint of the Earth as seen from space.
In Constellation of the Earth, we perform creation activities on the ground that are captured by the satellite, and the moment that “we are now being seen from space” is shared with participants and recorded in an image. Unlike watching satellite images passively on map services, our project actively involves participants in satellite image acquisition.
According to the questionnaires collected from the participants in our project, our participants, who come from a wide range of age groups and backgrounds, are generally satisfied with the activity and have gained interest in space development, the global environment, and the future of humanity, among others. They are thought to have participated in our project with interests of either science or art. As a result, our project satisfies various interests and encourages participants to expand their interest in science to art and vice versa. To convey this achievement to other viewers, we exhibited photographs capturing the creation process of our works, the reflectors and other items used in each work, and the resulting graphics of the constellations. In addition, several symposia were held to discuss our project. In one of these events, Symposium – Artistic Expression and Artificial Satellites held in August 2015, experts from various fields gave their opinions for our project. Besides specialists in art and aesthetics, a coordinator of an art project and a public relations officer from the JAXA gave talks from the viewpoints of practical workers from the arts and science, and both speakers opined that this project has potential to change social recognition by waking the participants and viewers to the viewpoint from space.
As an achievement of our project, we can confirm that science and technology may function as an introduction to art and vice versa. We feel that science technology and art are mutually part of each other and that this cross-interaction can bring changes to society. Science technology and art have coexisted in the same field and cause the same behaviors despite differences in their methodologies, and both concepts have contributed immensely to human society. We wish to continue Constellation of the Earth project as an activity to visualize this function of science, technology, and art.
● Earth Remote Sensing Data Analysis Center (ERSDAC) (2001), Uchuu Kara no Chikyu Kansoku
(Earth Observation from Space), edited and published by ERSDAC.
● Flammarion, K. (1880), Astronomie Populaire, C. Marpon et E. Flammarion
● Fuller, R. B. (translated by Serizawa Takashi) (2000), Uchusen Chikyu-go Soju Manual (Operating Manual
for Spaceship Earth), Chikumashobo.
● Ohki, M. and Suzuki, H. (2016), “Expansion of Artistic Expression using ALOS-2: The Constellation of the
Earth” Project, Journal of the Remote Sensing Society of Japan, 36-4, pp. 367-372.
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